けんかぶ!です。
題名を「ゼネコンの汚職事件・不祥事をまとめてみました!」って明るくしましたが、違和感が凄い…(笑)
ゼネコンが汚職事件・不祥事を起こす理由は複数ありますが、企業体質や建物を作る時にたくさんのお金がかかるので、色々な利権が絡んでくる事も要因の一つでしょう。
建物を作る際にどれくらいお金がかかるのかは一概に言えませんが、例えば3階建のマンションを作る時にかかる費用は「土地活用の窓口」さんの「3階建て・4階建て・5階建てマンションを建てる建設費の相場とは」を参考にすると、概算で8,640万円〜1億1,520万円だと言われています。
企業の工場新築工事などのような大規模工事の場合、数億円かかる事もあります。
このように、建設とはお金がかかるのです。このようにお金がかかってくると、それに群がるハイエナが増えてきます大変です。結果、ゼネコン絡みの不祥事・汚職事件などが起きます。
さて、そんなゼネコンが過去どのような汚職事件を起こしてきたのか、また汚職事件が起きた後株価に動意はあったのかについて今回は検証していこうと思います。
それでは始めましょう。
1993年ゼネコン汚職事件

有名な事件。
1993年に起きた「ゼネコン汚職事件」ですね。概要は下記の通り。
公共事業の入札を巡ってゼネコンが国会議員・知事・市長に賄賂を送った事件。1993年6月に建設相を始め仙台市長・宮城県知事・茨城県知事が逮捕された後、ゼネコン側でも清水建設会長などのトップが相次いで逮捕。
清水建設の他にも鹿島建設・大昭和製紙・大林組・大成建設・ハザマ・西松建設・三井建設・飛鳥建設などのゼネコントップが相次いで逮捕されました。
参考:ゼネコン汚職事件(Wikipedia)
つまり「このお金をあげるから、次の工事は何卒弊社にお願いします」という事をゼネコンのおじさんと国のおじさんがやっていたという事。
過去、日本では公然とこのような事が行われていたんですね。
先ほどの概要にあります通り、清水建設の会長などが「ゼネコン汚職事件」で逮捕されましたので、清水建設の株価を見てみましょう。

参りましたね、清水建設の株価を見ても2002年からしか表示されません。仕方がないので「Yahoo!ファイナンス」で過去の株価データを遡ってみましょう。
仙台市長が逮捕されたのは6月だったので、6月の株価をチェック。6月1日に940円だった株価は、月末には807円まで下落していますね。
じゃあその後、株価はどうなったのか?と言われると1993年11月中旬までは800円台をうろうろしていました。ですが、その後1993年11月24日あたりから株価は下落し700円台へ突入。
株価は1993年6月から下落する事となりました。
こちらの事件はゼネコン業界ではかなり有名なので、冒頭に紹介いたしました。次の事件からは、もう少し近代的になります。
※上記の事件についてもう少し詳しく知りたいという方はコトバンクの「ゼネコン汚職」が参考になります。
2009年鹿島建設の砂利事件
スーパーゼネコンの鹿島建設が羽田空港を24時間利用可能なハブ空港にする為の工事を受注。建設工事現場から出た砂利・残土を埋め立て資材に転用し、500万円の差額を騙し取ったという事件。
被害者は「国」ですね。鹿島建設は「かなざわドームシアター」跡地に建設する予定だった現場から出た残土などを、羽田空港の埋め立て資材に使ったという内容。
さて、この事件が明るみに出たのは2009年10月23日あたり。なので、当時の鹿島建設の株価を確認してみましょう。
※上記の事件を取り扱ったニュース記事はなぜかほとんど削除されていたので、ニュース記事のURLリンクを貼ることができませんでした。

2009年の鹿島建設の株価チャートは上記の通り。
2009年10月23日:466円(高値)
2009年11月27日:324円(終値)
チャートを見ると、2009年10月23日から株価は下落基調となり、同年11月27日には324円まで下落。142円下落してしまいました。
一見すると「そこまで落ちてなくね?」って思いますが、元々の株価466円だと考えると30%程度の下落です。
ですが、2010年以降株価は回復し、2009年10月以上の水準となりました。
2012年鹿島建設の海底トンネル事故
またまた鹿島建設です。2012年2月7日に発生した海底トンネルの事故。
岡山県倉敷市の水島コンビナート内にあるJX日鉱日石エネルギー(現・ENEOS)の石油精製工場において2012年2月7日に発生した事故。パイプライン用の海底トンネルをシールドトンネル工法で施工中、トンネル内へ海水が流れ込んで水没し、作業中の5人が死亡。
10年前に工事現場の地質調査も行っており、地盤に問題がなかったのにも関わらずの事故だったと説明しています。
さて、それでは鹿島建設の株価チャートを見ていきましょう。

上記の株価チャートは鹿島建設が事故を起こす前日2012年2月6日に垂直線を引いたものです。事故直後、若干株価は下落しましたが大幅な下落にはなっておりません。
上記の鹿島建設株価チャートを見ると、2012年4月頃から株価は下落。ただ、この下落は期間が離れているので、海底トンネルの事故が直接的な株価下落の原因ではないと個人的に思います。
2017年安藤ハザマの領収書改竄
次に登場するのは安藤ハザマです。2017年のニュースなので、もしかしたらまだ記憶にあるって方もいるのではないでしょうか?
安藤ハザマの社員二人は、福島第一原発事故の除染事業を行うにあたり、作業員の人数・単価を計4,100万円水増しした宿泊領収書を出したとの事。朝日新聞の記事によると、当初は水増しをするつもりはなかったと説明していたが、その後領収書の改竄を指示した事を認めたと発表。

最終的には二人とも詐欺罪で在宅起訴をされてしまったようです。
事件自体は2015年の7月〜9月の間に実行されていたようですが、この問題に関する記事が投稿され始めたのが2017年6月7日あたりから。なので、当時の安藤ハザマの株価チャートを見ていきましょうか。

上記チャートの通り、事件発表後株価は大幅に下落している事が分かります。これは個人的な感想ですが、事故よりも詐欺関連の事件の方がゼネコン株の動意が激しいように思います。
安藤ハザマの株価は810円から657円まで下落。不祥事に関する報道に嫌気した売りでしょう。
2017年新国立建設での過酷労働

記憶に新しい事件だと思います。スーパーゼネコンが直接的に起こした事件ではありませんが、亡くなってしまった方は一次下請けの建設会社の男性。
200時間に及ぶ残業をしており、亡くなってしまったとの事。また、この200時間に及ぶ残業について、会社は把握していなかったとしています。

なぜ勤務時間の把握はしていないのに給料は払えたのか?など、疑問が残る事件です。
新国立競技場を請け負ったスーパーゼネコンは大成建設。そして梓設計・隈研吾となりました。
とりあえず大成建設の株価チャートを見ていきましょう。

株価に全く動意はありません。むしろ株価は上昇気味。当時はゼネコン株は「バブル超え」くらいの勢いで株価は上昇しましたので、この事件は小事だったのかなあと考察。
※この事件に関しては、管理人の個人的な意見もあります。
ゼネコンなどの建設会社では、いわゆる時間外労働というのは日常茶飯事で起きていると思います。
それで「時間外労働をあんまりさせちゃいけない」って風潮に日本企業がなってきて、パソコンが18時を過ぎると勝手にシャットダウンするような仕組みを導入しているゼネコンもあります。
ただ、ゼネコン・建設関連商社にいた私から言わせれば「何の解決にもなっていない」です。
「18時を過ぎると勝手にパソコンがシャットダウンする」と、誰が困りますか?所長は困りません、一番困るのは新入社員です。仕組みを説明します。
・朝8時〜9時から始まる朝礼の準備
・夕方までは現場につきっきり
・17時過ぎから事務作業
現場で働いている若手社員がみんなこの時間軸だとは限りませんが、少なくとも私がいたゼネコンではこんな感じ。何が問題かというと、夕方まで事務作業ができないという事。何故かというと、一日中現場に出ているから。新入社員が戻ってくるのなんて大体夕方で、17時から事務作業を始めます。
事務作業が20分とかで終了するなら問題はありませんが、そんな事はあり得ません。次の日の準備・先輩から言われた仕事・事務処理などをするだけで普通に20時とかになります(経験済)
でも18時にパソコンはシャットダウン。
18時以降もパソコンを使用したいのであれば、誰から許可を取らないといけないでしょうか?ほとんどの場合はそこの現場所長から許可を取る必要があります。
こんなのストレスになるに決まっていますよね。
たまに所長から許可を取るなら良いですが、仕事が18時に終わる事なんてあり得ないので毎日のように所長から許可を取ります。で「お前今日も残業かよ」とか言われます。
「そういうのを乗り越えていくんだよ、これだからゆとりは」などと言っている建設会社の皆さん、そんな事を言っているから建設業のイメージはどんどん悪くなるのです。
2020年リニア談合

・大林組
・鹿島建設
・清水建設
・大成建設
リニア中央新幹線の駅新設工事を巡る談合事件。独禁法違反(不当な取引制限)を認定し、大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設の大手ゼネコン4社に排除措置命令を出す方針を固める。
「談合は必要」であるとか専門家が言っている記事もありますが、そもそも違反だからやっちゃダメだろうっていうのが私の考え。その辺りの私の考えは「ゼネコンがこれからも生き続ける為にどうすれば良いのかをアラサー男子が考えた」という記事でまとめてあります。
事件自体が明るみになったのが2017年の末頃だと思うので、「大成建設」「清水建設」「大林組」「鹿島建設」の株価チャートを一気に見ていきましょう。
※ちなみに見出しに2020年と書いてあるのは2020年12月22日建設大手4社に再発防止に向けた排除措置命令が出されたからです。
<大成建設>

<清水建設>

<大林組>

<鹿島建設>

スーパーゼネコン4社の株価チャートを見てみると、全て大幅な下落を記録している事が分かります。
まとめ

ゼネコンが存在する理由は、人々がより暮らしやすいようにする為だと思います。
また、お金がたくさんかかる商品を扱っているという事、人が普通に亡くなってしまうという環境である事などストレスがかかる業種だとは思いますが、不祥事・汚職事件などは根絶してくれる事を願うばかり。
最後にこの記事をまとめておきましょう。
・談合は株価がめっちゃ下がる。
・事故などはそこまで株価は下がらない。
・横領や詐欺などの場合は株価が下がる。
・砂利事件は闇…。
※あくまで個人的に調査した結果です、全てその通りになるとは限りませんのでお気をつけ下さい。
今回は、以上です!
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