建材商社の「ビジネスモデル」とは?に回答する元建材商社マン

けんかぶ!です。


今回は「建材商社のビジネスモデル」をテーマに記事を書きます。これから建材商社で働く方や建材商社で働きたい就活生の皆様の参考になれば幸いです。


建材商社は「専門商社」です。


一方「総合商社」と言うと、ビジネスモデルは複雑です。例えば「伊藤忠商事のビジネスモデルは?」と聞かれても、1行で答えるのは無理です。なぜなら様々なビジネスをしているからです。


しかし建材商社に限って言えば、ビジネスモデルはそこまで難しくありません。


この記事では、建材商社のビジネスモデルを簡単にまとめます。記事の後半からは、建材商社のビジネスモデルの「実態」を元建材商社マンが説明します。

【この記事を書いている人】
建材商社で4年間営業として、働いていました。建設・土木資材どちらの営業も経験ありです。ちなみに現在はフリーランスです。


あくまで個人的な意見ではありますが、参考になれば幸いです。

関連記事:「建材商社の営業はきついのか?」建材商社で働いた私が説明します

建材商社のビジネスモデルを簡単に言うと

  • 基本は「安く買って、高く売る」

建材商社のビジネスモデルは「安く買って、高く売る」です。
もう少し具体的に書くと下記の通り。

建材商社は建材を作っている「建材メーカー」から建材を安く買います。


そして、建物を作っている「ゼネコン・ハウスメーカー 」へ建材を高く売ります


つまり建材商社が断熱材を1枚100円で仕入れたとします。そして、1枚200円で販売できれば…。「100円」の利益になります。


簡単ですよね。


ちなみに私は中堅商社にいましたが、大手の建材商社の方と仕事をしたこともあります。


大手〜中堅の建材商社マンをたくさん見てきましたが、どの建材商社も「安く買って、高く売る」のが基本でしたね。

建材商社では、何を販売しているの?

  • 建物を作る際に必要なものなら何でも販売

建材商社では建物を作る際に必要な「建材」なら何でも販売します。


例えば「生コン」や「材木」などが挙げられます。その他にも建物には沢山の建材が使われています。


たくさんの建材を使って建物を建てるのですから、マンションを一棟作るだけでも数千万円〜1億円以上とたくさんのお金がかかってきます。


たくさんのお金がかかってくるので、あなたが建材商社マンとして非常に優秀であれば、それだけ大きな取引をする可能性もあると言うことです。

「安く買って、高く売る」ビジネスモデルにはライバルが多い

繰り返しますが


「建材商社は、建材メーカーから安い商品を仕入れて、ゼネコンなどの建設会社へ高く販売」


が基本のビジネスモデルです。


そして「販売価格」ー「仕入れ価格」=建材商社の利益(マージン)になるのです。


と、書きましたがそんな簡単にホイホイ取引が進むケースはほぼありません。なぜならこのビジネスモデルは、誰でも思いつくものです。その為、ライバルも多いからです。


次章からは、建材商社のビジネスモデルの実態を説明していきます。

ライバルが多いから価格競争になる

例えば建物を作っているゼネコンが「断熱材を100枚欲しい」と思ったとしましょう。


するとゼネコンは、3社〜4社など複数の建材商社に断熱材の見積もりをするのが基本です。


これを「相見積もり」と言います。


(相)見積もりと言うと難しいですが、ゼネコンがたくさんの建材商社に「なあ、断熱材100枚でいくらになる?」って聞いているだけです。


なぜゼネコンは複数の商社に見積もりを取るかと言うと、できる限り安く建材を仕入れたいからです。

例えばA商事は「断熱材100枚 5,000円で販売します!」と言って


B商事は「断熱材100枚 4,000円で販売します!」と言ったとします。


この場合、ゼネコンはより安いB商事から断熱材を購入するでしょう。


ゼネコンが安く建材を仕入れたいと思っている以上、建材商社はライバル(他の建材商社)との価格競争が必要です。


価格競争とは、他社と比べて安い金額で商品を販売する競争です。A社が断熱材を1枚100円で販売しているなら、B社は90円で販売する、みたいな感じ。

ちなみに…

なぜゼネコンが安く建材を仕入れたいのかと言うと、その方がゼネコンにとってメリットがあるからです。


例えばA不動産がB建設に「マンション建設」を5億円で依頼したとします。


そこでB建設が5億円の建設費用をかけてマンションを作ったら、B建設には利益が出ません。それどころか人件費もかかり、ただむなしいだけです。


しかし、もしもB建設が2億円でマンションを建設できれば…B建設は5億円ー2億円=3億円の利益が出ます。


つまり建物を作る際にかかってくる「建材」を安くすれば、その分建設会社の利益は多くなります。

だからこそ建設会社であるゼネコンは「建設費用」である建材を安くしようとします。

建材商社では避けられない「多売薄利」

上記のように、建材商社では「価格競争」の波から逃げることはできません。


ではどうするかというと、販売する商品の利益を減らします。
そしてたくさんの建材を販売します。


「多売薄利」ですね。

例えばA商事が断熱材を1枚100円で仕入れました。


このままA商事が100円で販売したら意味がありませんから、1枚200円で販売することにしました。利益は100円ですよね。


しかしライバル企業の「B商事」が断熱材を1枚150円で販売しました。これでは1枚200円で販売しているA商事は価格競争に負けてしまいます。


そこでA商事は断熱材を1枚140円で販売することにしました。そうすれば、150円で販売している「B商事」より安くなり、価格競争に勝つことができます。


しかし「A商事」の利益は当初100円ありましたが、値下げをした結果40円(140円ー100円)の利益しか出ないことになります。

1枚40円の利益しか出ません。
これではなかなか売上や利益を増やすことはできませんよね。


そこで「多売薄利」です。一つ一つの販売する商品の利益を減らして、とにかくたくさん商品を販売するということです。


すると商社マンは激務になります。


なぜなら商社マンはたくさんの建材をメーカーから見積もりを取ったり、仕入れをしたり、販売をすることになるからです。


よく世間で商社マンは「激務」と言われることが多いですが、価格競争で「多売薄利」になったことで仕事量が増えたことも「激務」と言われる理由の一つになっていると思います。

海外からの仕入れで「価格競争」に圧勝することもある

国内で販売されている建材の価格は、大体似たり寄ったりになります。その為、価格競争になります。


しかし、物価が安い海外から建材を仕入れることできれば「価格競争」で圧勝することもあります。

例えば、日本国内の断熱材メーカーでは1枚100円で仕入れるのが最安値だったとします。しかし物価が安い国を見つけ、1枚15円で断熱材を販売している企業が見つかったとします。


そこでA社はその国から1枚15円で断熱材を仕入れました。そうすれば1枚50円で日本国内で販売したとしても利益は出ますよね。


日本国内では1枚100円の仕入れが最安値ですから、A社が価格競争で勝つことになります。


このように「商社マン」は海外からの仕入れをすることもあるので、英語・中国語などの語学力が求められることもあります。

ただし、海外からの仕入れは「リスク」をともなう…

もちろんですが、海外から建材を仕入れることは「リスク」しかありません。言語も違いますし、何かトラブルがあった時も飛行機を使って海外まで行かなければいけません。


もしかしたら騙される可能性もありますし、海外から仕入れた建材が不良品の場合もあります。ちなみに私は何度か経験があります…。


海外から仕入れた商品が不良品だった場合、ゼネコンやハウスメーカーへ納入する期日が遅くなります。


ゼネコンやハウスメーカーには「工程」があります。建材を納品する期日が遅くなれば、その分「工程」も遅くなります。結果どうなるかと言うと、ゼネコンやハウスメーカーから鬼クレームがきます。


このように、海外からの仕入れはリスクをともないます。

建材商社のビジネスモデルはゼネコン、ハウスメーカー次第

  • 建設会社の業績が悪くなれば、建材商社の業績も悪くなる

と、ここまで紹介してきたように建材商社のビジネスモデルは、「ゼネコン」「ハウスメーカー 」あってこそ成り立ちます。


建材商社がいくら安く建材を仕入れることができても、販売する企業がいなければ成り立ちません。その為、ゼネコン やハウスメーカー などの業績が悪くなれば、建材商社の業績も悪くなるのは当たり前のことです。


ただ、建設業界は「人手不足」「斜陽産業」とも言われています。


なので今後、建材商社のビジネスモデルも「顧客=ゼネコン、ハウスメーカー」に限らず新たな顧客を見つけることも必要なのかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?


今回は「建材商社のビジネスモデル」をテーマに記事を書きました。


あくまで個人的な意見ですが、参考になれば幸いです。


最後までご覧いただき誠にありがとうございました!

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