けんかぶ!です。
今回は「商社マンにはなりたいけど…海外には行きたくない」と悩む方へ記事を書きます。これから商社で働きたい就活生の皆様の参考になれば幸いです。
記事の前半では「海外へ行きたくないけど、商社マンになりたい」という悩みに回答します。記事の後半からは、そもそもなぜ商社は海外出張など海外と関わることが多いのかを解説します。
【この記事を書いている人】
建材商社で4年間営業として、働いていました。海外出張も経験あり。建設・土木資材どちらの営業も経験ありです。
「商社マンにはなりたいけど、海外出張は行きたくない」の回答

回答①:面接で意思表示する
最もオーソドックスな回答ですが…面接で「海外へ行く気はない!」と主張することです。もちろんもっと丁寧に伝えてくださいね笑
もし海外へ行く気がないと伝えても、他に高い能力があれば採用される可能性はあります。中堅〜大手の総合商社であれば、国内にも複数営業拠点はあります。
しかし、就職サイトの会社紹介で「1年目は必ず海外へ赴任・出張があります」など、海外へ行くことがあらかじめ明記してあったら基本的に無理です。
会社の方針でもあるはずですから、一就活生が会社方針を変えることはおそらく難しいです。
回答②:海外に拠点がない商社を探す
とりあえず商社に勤めたいのであれば、海外拠点がない商社を探しましょう。海外拠点がない商社ならば、基本的に海外へ出張・赴任をすることはないでしょう。
しかし、海外に拠点がない会社でも「海外から商品を輸入している」商社もあります。その場合、購入する商品の検品のために海外へ出張をする可能性はあります。
その逆もまた然り。「海外へ商品を輸出している」商社も、海外へ出張をする可能性があります。商品が無事海外の出荷先へ納入できたかを確認するケースがあるからです。
その為、海外出張がない商社を探すのであれば「国内から商品を仕入れて、国内で商品を販売する」ことで完結しているビジネスモデルの企業を探すようにしましょう。
なぜ商社は海外出張がここまで多いのか?

ここからは、なぜ商社マンは海外出張など海外と関わることが多いのかを解説します。
理由①:海外で安い商品を購入して日本で販売する為
「商社」の最もオーソドックスなビジネスは「安い商品を仕入れて、手数料を加えて販売する」こと。トレーディングと言われる事もありますね。
逆に500円で仕入れた商品を500円でどこかへ販売したら、利益は0円です。人件費もかかっているので、実質マイナスです。これでは虚しいだけですし、部長あたりから多分怒られます。
商社のビジネスを具体的に説明すると下記の通り。
例えば断熱材メーカーから一枚500円で断熱材を仕入れて、ゼネコンやハウスメーカーに1枚1,000円で販売できれば500円の利益になります(1,000円−500円=500円)
仕入れから販売をするまでに交渉が必要な事もありますが、単純にすると「安く買って、高く売る」と言うことだけです。
とても簡単ですよね。
ライバルがいなければ、一人勝ちです。
しかし、日本にはたくさんの商社があります。もちろんどこの商社も利益を稼ぎたいですから、勝負になる事もあります。
と言うより…基本的に商社が何かを販売する際は、他の会社とバッティングすることが普通です。
例えばあなたがコンビニでおにぎりを買おうとしました。行ってみたら全く同じおにぎりが2つあって、一つは1個100円。もう一つは1個150円ならば、1個100円のおにぎりを買いたいはずです。
同じことです。
仮に断熱材を500枚欲しいゼネコンがいたとします。
そこで、建材商社であるA社とB社がゼネコンへ下記のように提案したとします。
A社「一枚600円で売ります!」
B社「一枚500円で売ります!」
どちらも同じ性能の断熱材を販売していたら、普通に考えてゼネコンは安いB社から購入したいと考えるでしょう。
しかしこれではA社に利益が出ません。
A社が断熱材を買ってもらう簡単な方法としては、販売する商品の価格を下げることです。販売する商品の価格を下げる為には、海外のメーカーも視野に入れる必要があります。
なぜなら海外と日本では、同じ性能の商品であっても物価の違いなどから価格に差があることも多いからです。
身近で分かりやすい例で言えば、日本のコンビニへ行くと、お茶は大体150円〜160円程度で販売されています。しかし、台湾のコンビニではお茶が25元〜30元程度(75円〜90円)で販売されています。
このように、同じ性能であっても場所によって「安い」商品が海外にはあります。
安い商品を購入するための視察や、実際に海外から商品を購入する事もある為、結果として商社マンは海外との関係を持つことが多いのです。
理由②:日本の市場だけでは利益が見込めない為
商社マンが海外と関わる理由の二つ目は、日本の市場だけでは利益が見込めない為です。
建材商社を例にしてみましょう。建材商社とは文字通り「建材を仕入れて販売する会社」です。しかし、そもそも建材を販売する相手がいなければ建材商社は潰れます。
いくら優秀な人がいようとも、売る相手がいなければ利益は出ません。建材商社の顧客は、主にゼネコンやハウスメーカーが挙げられます。
日本の「建設市場」は2021年現在まだ堅調ではありますが、いつまで続くのかは分かりません。永遠に建物を建て続けることは、この狭い日本では無理です。
建物を建てるゼネコンやハウスメーカーの仕事がなくなれば、建材商社が利益を出すのはとてつもなく難しくなります。繰り返しますが、商品(建材)を売る相手がいないからです。
だからと言って「ま、しょうがないな」と言っているわけにもいきません。倒産してしまいます。
日本国内で建材を買ってくれる需要が減るならば、需要を探さなければいけません。
その為にも海外を視野に入れる必要があります。例えば香港でマンションを施工していれば、香港へ出張をして建材の営業をしたりもします。
このように「物」を持たない商社にとって「需要」がある所、つまりビジネスチャンスがある所へどんどん進出する必要があります。そうしないと、利益が稼げないからです。
これが商社が海外と関わる理由の2つ目です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「商社マンにはなりたいけど…海外には行きたくない」と悩み方の解決策と、なぜ商社は海外と関わることが多いのかを解説しました。
参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました!
コメント